電子申告の時代

今年6月、米国サンフランシスコとシリコンバレーへ視察旅行に行ってきました。サンフランシスコ・ジャイアンツの新球場や霧に包まれたベイ・ブリッジなどの観光もそこそこに、来る日も来る日も会計事務所やベンチャー企業支援の状況を見て、聞いて、そして肌で感じて帰ってきました。

今のアメリカ、特にIT関連企業の発祥の地シリコンバレーは、好景気にわき、人材の確保が難しく、経理や総務といった仕事は外部の会社に依頼する、いわゆるアウトソーシングビジネスが大変盛んでした。

2003年に日本で導入が検討されている電子申告も、アメリカではすっかり定着しており、年収500万円以下の個人の申告代行を主たる業務とするアメリカ最大の税務申告代行会社のH&Rブロック社は年商1650億円を誇り、税務申告代行の70%が電子申告だそうです。

同社とカードでおなじみのアメックス社が、小規模の会計事務所を次々と買収してシェアを拡大しており、年末調整に代わる電子申告や零細事業者の申告の代行は、このような大手企業が独占し、中規模の会計事務所は企業のコンサルティングが主な業務となり、また、上場企業の会計監査はビッグ5と呼ばれる監査法人だけの仕事というように、完全に「住み分け」が行われていました。

これには、有限責任で専門的サービスを行える会社の設立が認可されたことや、訴訟の多いアメリカのお国柄を反映して、会計事務所の規模によって、損害賠償責任保険の保険料の負担に耐えうるかどうかということも大きな要因となっているようです。

現在日本では、規制緩和による税理士法改正が審議されており、独占業務であった税務申告代行業が、徐々にアメリカ的なものへ移行されるものと思われます。

そこで気になる年末調整に代わる電子申告や零細事業者に対する申告代行の料金ですが、アメリカでは1件当たり70〜250?ぐらいだそうです。日米の税制の違いもありますが、数年後の日本における一つの目安になるかと思います。

電子申告とは、従来、納税者が納税申告手続きを行う際の申告書(書面)提出に替えて、電磁的記録(電子データ)のインターネット等通信回線を通じた送信をもって納税申告手続きが可能となるものです。

なお、電子申告が導入されても、従来どおりの書面による申告も可能です。

日本では、2003年の電子申告の導入に向けて、この11月27日に電子申告の実験がスタートしました。