これできっと景気回復!?平成11年度税制改正大綱決定!
9兆円減税の検証 第1弾
未曾有の経済不況から景気回復の切り札として自民党が打ち出した「平成11年度の税制改正大綱」を、
3月に予想される法案成立に先駆けて検証するシリーズ第1弾です

■今回の税制改正は「景気回復」のための大減税

平成11年度の税制改正大綱は、バブル崩壊後の金融機能を健全化させ、経済を再生し、国民に現在の安定と将来の安心を確信してもらうことを当面の緊急課題として作成されました。内容は、景気回復を主眼とした「大盤振る舞い!」と言えます。

■まずは、個人所得課税の減税は?

平成11年度の所得税・住民税の減税は、昨年2度にわたり実施された4兆円の特別減税とほぼ同規模のものですが、減税の方式が違います。

昨年の特別減税では、1年間だけの措置として、納税者本人5万5千円、扶養家族1人当たり2万7千5百円の所得税・住民税が定額減税されました。つまり扶養している家族が多ければ多いほど減税された訳です。

それに対して、今回の減税は、「恒久的減税」とされており、期限の定めがなく、?所得税・住民税を合算した最高税率を現行の65%から50%に引き下げる。?所得税の20%(最高25万円)、住民税の15%(最高4万円)の定率減税を実施する。といった組み合わせ減税となります。

さらに、3千億円の子育て・教育減税として、所得税について、?16歳未満の子供の扶養控除を現行の38万円から48万円に増額する。?16歳以上23歳未満の子供の特定扶養控除を現行の58万円から63万円に増額する。さらに、?平成12年度からは住民税についても特定扶養控除を現行の43万円から45万円に増額する。といった減税も行われます。

■前年の特別減税との比較

グラフをご覧下さい。これは、夫婦と子供2人の平均的な世帯を例に、昨年の特別減税額と今回の減税額を比較したものです。年収が4百万円(事業所得者では所得金額が266万円)ぐらいからは減税されて通常よりも税金が安くなり、年収3千万円に至っては、年間約90万円の減税が受けられます。しかし、年収が8百万円(所得金額が6百万円)ぐらいまでは、前年の特別減税に比べれば少額の減税になります。

ただし、扶養家族が少ない方ですと様子が違ってきます。例えば、扶養家族のない方ですと昨年の特別減税額は最高で5万5千円しかありませんでしたので、年収340万円(所得金額220万円)ぐらいからは、今回の減税の方が有利になります。

■法人課税の減税は?

法人税の税率は、昨年、減税されたばかりですが、普通法人の税率が現行の34.5%から30%に、中小法人・公益法人等の税率が現行の25%から22%に引き下げられます。また、法人事業税の税率も、昨年に引き続き、0.6%〜1.4%引き下げられます。

これに伴い、法人の実行税率は現行の46.36%から40.87%になり、国際競争力の維持・強化を図りたい大企業や、不況に苦しむ中小企業にとっては願ってもない減税と言えます。

■最後に……

今回ご説明しました税制改正は、この税制改正大綱の中の一部です。他にも、パソコン税制・中小投資促進税制・ベンチャー、事業承継税制・金融関連税制の整備。さらには、住宅ローン控除を中心とした住宅土地税制の拡充。など様々な配慮がなされており、次回以降で、これらのポイント、法案の成立具合などを掲載していく予定です。

最後に、皆様が税制改正を正しく理解されて、経済活動が円滑に行われ、日本経済が1日も早く回復することを祈念してなりません。

(税理士・CFP 湯浦 正信)