これできっと景気回復!?いよいよ平成11年度税制改正案上程!
9兆円減税の検証 第2弾 −パソコン税制のすべて−
景気回復の切り札、「平成11年度税制改正案」が去る1月29日に閣議決定され、同日国会に上程されました。
法案成立に先駆けて検証するシリーズ第2弾です。


■昨年の少額減価償却資産の改正

以前は取得価額が20万円未満の減価償却資産であれば一時の経費とすることができましたが、前年の税制改正によって、法人は平成10年4月1日以後に開始する事業年度から、また個人は平成11年分からこの金額基準が10万円未満に引き下げられました。ただし、取得価額が20万円未満の減価償却資産については、年度ごとに3年均等償却をすることができます。

■パソコン税制の概要

これを受けて、今回の景気浮揚策の目玉として登場したのが「パソコン税制」です。これは、青色申告者が平成11年4月1日から1年間に取得した取得価額100万円未満の所定の情報通信機器について、その全額を一時に経費にすることが出来るというものです。ここでいう情報通信機器とは、?電子計算機(パソコン)の他に、?デジタル複写機?メモリー送受信機能付普通紙ファクシミリ?デジタル構内交換設備?デジタルボタン電話設備?電子ファイリング設備?マイクロファイル設備?ICカード利用設備の8設備が該当します。

■パソコン付属装置の取り扱いは?

それでは、パソコンに付属するディスプレイ、キーボード、プリンター、スキャナー、外付けハード、ルーター、無停電装置などはどのように取り扱われるでしょうか?

この場合は、パソコンと一緒にこれら付属装置を購入すれば、本体にこれら付属装置を含めてパソコン税制の適用があります。

■3年均等償却との比較

当然、パソコン税制の方が3年均等償却制度よりも、早期に減価償却ができて有利ですが、パソコン税制の適用資産は償却資産税の課税対象になるのに対し、3年均等償却の適用資産については償却資産税の課税対象になりませんので、そのことも考慮に入れて制度を選択する必要があります。

■中小企業投資促進税制との違いは?

中小企業投資促進税制とは、中小企業が100万円以上の所定の機械装置やパソコンなどの器具備品について、取得価額の7%の税額控除または30%の特別償却を選択適用できる制度です。パソコン税制は1つの設備が100万円未満に適用があり、これに対し、中小企業投資促進税制は1つの設備または同一種類の複数設備の合計が100万円以上に適用があるため、30万円のパソコンを一度に5台購入したケースでは、1台ごとは100万円未満であり、パソコン税制により、全額一時の経費にすることもできますし、同一種類5台の合計が100万円以上ですので、普通の減価償却の他に、税額控除または特別償却のどちらか有利なほうを選択適用することもできます。初年度だけですとパソコン税制のほうが減税額が多くなりますが、税額控除は減価償却とは別に受けられるため、長期的に見れば、中小企業投資育成税制のほうが有利といえます。

今回は、パソコン税制を中心とした、中小企業向けの税制改正の内容でしたが、これらの規定に該当しそうな、購入予定のパソコンなどはありませんか?どうせ購入するなら上手にこれらの制度を利用して下さい。次回は、新住宅ローン控除の特集を予定しております。

(税理士・CFP 湯浦 正信)