中小企業でも使える
キャッシュフロー経営の奨め!
発生主義会計の限界をキャッシュフロー会計が解決します。

第3の財務諸表、キャッシュフロー計算書
来年の3月に決算を迎える上場会社、店頭公開会社は、資金収支表に代えて、キャッシュフロー計算書を作成し、有価証券報告書に記載することになりました。
最近に倒産した会社の決算は直前まで黒字で、公認会計士の監査も適正・適法とされており、日本企業に対する不透明感、損益計算での限界が問題になりました。
そこで登場したのがキャッシュフロー計算書です。このキャッシュフロー計算書は、貸借対照表、損益計算書と並ぶ、「第3の財務諸表」として、今後は、中小企業においても、銀行への提出が慣行になるのではないかと言われています。

企業活動を正確に映し出す、キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書では、企業活動での資金収支を「T.営業活動によるキャッシュフロー」「U.投資活動によるキャッシュフロー」「V.財務活動によるキャッシュフロー」に分けて表示し、資金を「現金及び現金同等物」という形で捉えます。これにより、従来の発生主義による貸借対照表や損益計算書では読み取りにくかった、企業の安全性や健全性、粉飾経理の有無までもあからさまになります。

粉飾決算前後でも、キャッシュフローは同じ
どうしてキャッシュフロー計算書が、粉飾決算までも明らかにしてしまうのでしょうか?それは、実際の決算と粉飾決算では、利益は変わってしまいますが、キャッシュフローは常に同じだからです。しかも、粉飾された数値は、キャッシュフロー計算書を見れば一目瞭然になります。

なるほど、キャッシュフロー計算書!
それでは実際に、キャッシュフロー計算書を見比べながら、その会社の経営状況を診断してみましょう。
まずA社ですが、かろうじて減価償却後で利益が出ていますが、支払利息を3億円払っており、借入利率を3%としても、100億円以上の借入金を抱えていることになります。それにも関わらず、さらに固定資産の購入に20億円を投入しており、本来の営業活動からのキャッシュフロー5億円では、6億円の長期借入金の返済がまかなえておりません。このことから、借入金に依存して、計画性のない投資を続けてきたため、厳しい局面にあることが想像されます。
次にB社ですが、こちらもA社同様、わずかに利益が出ていますが、以前から所有していた固定資産を売却しており、この売却益4億円がなければ相当な赤字決算となっています。さらに、減価償却額が計上されておらず、売上債権・棚卸資産の増加額も尋常ではなく、粉飾決算の可能性が高いと推察されます。本来の営業活動からのキャッシュフローがかなりのマイナスとなっており、借入金を返済するどころではなく、近いうちに倒産してもおかしくない状態です。
最後にC社は、前の2社とは違い、固定資産への投資及び借入金の返済が、本業の営業活動からのキャッシュフローの範疇で行えており、本当に羨ましいばかりのキャッシュフローと言えます。

利益重視から、キャッシュフロー重視の経営へ
このように、キャッシュフロー計算書は、利益からだけではわからない企業の状態を正確に開示できる優れた財務諸表であることがおわかりいただけたことと思います。これまでの利益重視の経営から、キャッシュフロー重視の地に根の生えた経営に今後は移行して、活力のある日本経済が復活することを願っています。


<キャッシュフロー計算書による分析 >

/
A社(過剰投資)
B社(???)
C社(超優良)
1.営業活動によるキャッシュフロー
/
/
/
税引前当期利益
10
10
1,000
減価償却費
500
0
600
利息・配当金
支払額
300
支払額
 200
受取額
-30
貸倒引当金繰入額
20
0
300
固定資産売却損益
売却益
  10
売却益
-400
売却益
-50
売上債権の増減
増加額
 -20
増加額
-200
減少額
300
棚卸資産の増減
減少額
  20
増加額
-150
減少額
200
仕入債権の増減
減少額
 -30
増加額
  40
増加額
100
小 計
810
-500
2,420
利息・配当金
支払額
-300
支払額
-200
受取額
 30
未払法人税等の支払額
-10
0
-500
営業活動によるキャッシュフロー
500
-700
1,950
2.投資活動によるキャッシュフロー
/
/
/
固定資産売却収入
550
1,000
500
固定資産の購入
-2,000
0
-1,000
投資活動によるキャッシュフロー
-1,450
1,000
-500
3.財務活動によるキャッシュフロー
/
/
/
短期借入金
増加額
1,500
増加額
 1,500
返済額
-200
長期借入金
返済額
 -600
返済額
-2,400
返済額
-300
配当金の支払い
0
0
50
財務活動によるキャッシュフロー
900
-900
-450
4.現金及び現金同等物の増加額
-50
-600
1,000
5.現金及び現金同等物の期首残高
450
700
4,000
6.現金及び現金同等物の期末残高
400
100
5,000
(単位:百万円)